Webディレクターが行う要件定義とは?項目・手順・注意点について解説

「Webディレクターが行う要件定義について詳しく知りたい、そもそもどんな内容なのか分からない…。」
このような悩みに答えます。
- 要件定義とは…
-
Web制作やシステム開発などのプロジェクトがスタートする際に、開発担当者や関係スタッフが知っておくべき情報をわかりやすくまとめる作業のこと。
この要件定義を適切に行うことができるかによって、Web制作プロジェクトの結果が大きく変わります。
- これからWeb業界で働きたい
- Webディレクターの仕事に役立てたい
- Web制作に関する知識やスキルを身につけたい
今回は、接客業、IT業界を経て、現役Webディレクターである私が、Webディレクターの要件定義についてご紹介します。
未経験から転職を目指している方は、Webディレクターの知識や理解を深めて転職に向けて準備しましょう。

Webディレクターとして働きたいけど、仕事として何をやっているか分からないんだよなあ……。
みたいな方におすすめの記事です!!!
ぜひ最後までご覧ください。
Webディレクターが行う要件定義とは?


要件定義とは、Web制作やシステム開発などのプロジェクトがスタートする際に、開発担当者や関係スタッフが知っておくべき情報をわかりやすくまとめる作業です。
顧客とのコンセプトや機能、納期や予望などの要望や条件をすり合わせ、要件定義書などのドキュメントに落とし込みます。
具体例として、プロジェクトの目的やターゲットユーザー、機能やコンテンツ、今回のデザイン、制作スケジュール、予算などを決めていきます。
要件定義を行うタイミングは、クライアントに提案した戦略設計・サイトマップが承認後、実制作がスタートする前が望ましいとされています。
Webディレクターの仕事内容について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください!


Webディレクターが行う要件定義の目的


Webディレクターが行う要件定義の目的は、以下の3つが挙げられます。
- クライアントの要望を明確にする
- 目標を達成するための具体的な内容を決める
- プロジェクトの円滑な進行と制作物の品質の向上



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目的1:クライアントの要望を明確にする
要件定義の第一の目的は、クライアントの要望を明確にすることです。
クライアントが何を実現したいのか、どのような機能や性能を求めているかを正確に把握する必要があります。
要件定義が不十分だと、後々になって追加の要望や仕様変更が発生するなど、プロジェクトの遅延やコスト増加につながる可能性があります。
目的2:目標を達成するための具体的な内容を決める
要件定義の第二の目的は、プロジェクトの目標を達成するための具体的な内容を定めることです。
要件定義によって、プロジェクトの目的や達成するための方法が明確になります。
具体例として、プロジェクトの目的やターゲットユーザー、機能やコンテンツ、今回のデザイン、制作スケジュール、予算などを決めていきます。
また制作後の保守・運用といった将来的な面についても、事前に決めておくことが重要です。
目的3:プロジェクトの円滑な進行と制作物の品質の向上
要件定義の第三の目的は、プロジェクトの円滑な進行と成果物の品質を向上させることです。
要件定義によって、プロジェクトの参加者全員が同じ認識を持ち、プロジェクトをスムーズに進めることができます。
要件定義を進める上で重要なことは、要件定義書をクライアントと合意した上で進めたり、実現可能性やコストなどの制約を踏まえて要件を定義することです。
要件定義をしっかりと行うことで、プロジェクトの円滑な進行と制作物の品質を向上させることができます。
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Webサイトの要件定義の項目


Webサイトの要件定義を行う際には、以下のような項目を検討する必要があります。
- 目的:Webサイトを制作する目的は何ですか?
- ターゲットユーザー:Webサイトのターゲットユーザーは誰ですか?
- 機能:Webサイトに必要な機能は何ですか?
- コンテンツ:Webサイトに掲載するコンテンツは何ですか?
- デザイン:Webサイトのデザインはどのようになっていますか?
- スケジュール:Webサイトの制作スケジュールはどのようになっていますか?
- 予算:Webサイトの制作予算はいくらですか?



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項目1:目的
Webサイトを制作する目的は、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
- 情報発信
- 商品やサービスの紹介
- 企業や団体の紹介
- ニュースやブログの運営
- 販売促進
- 商品やサービスの販売
- 資料請求の促進
- 会員登録の促進
- 顧客サポート
- 製品やサービスの使い方に関する説明
- お問い合わせ対応
クライアントにヒアリングした内容から、Webサイトを作る目的、現状の課題や要望、商材やサービスの強みや独自性、クライアントを取り巻く市場状況や業界の慣習、競合についてまとめます。
製作側にも、クライアントのことや、サイトの中で訴求する商品やサービス、業界について深く理解しておいてもらうことは、デザイン制作やプログラミングなどの際の判断の参考になるでしょう。
項目2:ターゲットユーザー
Webサイトのターゲットユーザーとは、Webサイトを利用する想定される人々です。
ターゲットユーザーを明確にすることで、Webサイトのコンテンツやデザインを最適化することができます。
ターゲットユーザーを検討する要素は大きく分けてこちらの5つです。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 興味関心
- 課題
クライアントがとくに出会いたいユーザーや、これから獲得したいユーザーなど、訴求商材とマッチする見込み客・ターゲット層は誰なのかの設定します。
項目3:機能
Webサイトに必要な機能は、Webサイトの目的やターゲットユーザーによって異なります。
一般的に必要な機能としては、以下のようなものが挙げられます。
- トップページ:サイト全体の概要や目的を示します。
- お問い合わせフォーム:ユーザーからのお問い合わせに対応します。
- 会員登録機能:ユーザーにログインしてもらいます。
- 商品・サービス紹介ページ:商品やサービスの詳細情報を提供します。
- ニュース・ブログページ:最新の情報を提供します。
また、これらの機能を達成するための詳細についても考えておく必要があります。
例えば、アコーディオンメニュー、モーダルウィンドウや、ページネーションなどです。
制作側と連携し、機能を満たした最新かつ予算内での最適な表現方法を検討しましょう。
要件定義の項目4:コンテンツ
Webサイトに掲載するコンテンツは、Webサイトの目的やターゲットユーザーに合わせて作成する必要があります。
一般的に掲載するコンテンツとしては、以下のようなものが挙げられます。
- テキスト
- 商品やサービスの説明
- ニュースやブログ記事
- 画像
- 商品やサービスのイメージ
- ニュースやブログ記事の補足
- 動画
- 商品やサービスの紹介
- ニュースやブログ記事の解説
コンテンツの内容は、クライアントの要望やターゲットユーザーに合わせて検討します。
コンテンツの量は、クライアントの予算やスケジュールに合わせて調整しましょう。
要件定義の項目5:デザイン
Webサイトのデザインは、Webサイトの目的やターゲットユーザーに合わせて作成する必要があります。
デザインを検討すべき要素はこちらの4つです。
- 色:サイト全体の統一感を出します。
- フォント:読みやすさや視認性を考慮する
- レイアウト:コンテンツが分かりやすく表示します。
- イメージ:ターゲットユーザーに好まれるデザインにします。
ターゲットユーザーやサイトのテーマ(コンセプト)、商材の特徴、クライアントの要望やブランドイメージなど、希望するデザインの方向性を記載します。



参考となる具体的なWebサイトやデザインの本などの資料を用意すると、よりイメージを共有しやすいでしょう!
要件定義の項目6:スケジュール
Webサイトの制作スケジュールは、Webサイトの規模や内容によって異なります。
一般的には、以下のこちらの5ステップで進められます。
- 要件定義:クライアントの要望を明確にします。
- デザイン:Webサイトのデザインを決定します。
- 実装:デザインをベースにWebサイトを開発します。
- テスト:動作や表示を確認します。
- リリース:Webサイトを公開します。
基本情報として、Webサイトの納品日、テストアップ予定日、制作予算を記載します。



仕様が決定していないなど未定の場合は、WBSを引き直したり、担当ごとの作業開始日を確定させる仕組みを構築しましょう!
要件定義の項目7:予算
Webサイトの制作予算は、Webサイトの規模や内容によって異なります。
一般的には、以下の4つの要素で予算を算出します。
- デザインやクオリティ
- 実装機能やコンテンツの種類
- テストの種類や回数
- サーバー・ドメイン費用
Webサイトの各デバイスが定めているバージョンは対象内とすべきですが、状況によっては対応範囲をある程度狭めることをWebディレクターとして判断しなくてはいけません。



例えば、自社サーバーを使用するのか、業者に申し込んで借りるレンタルサーバーを利用するのかなど決める必要があります!
サイト規模や実装したい機能によってクライアントとよく相談しておきましょう。
Web業界が目指せる・活動できるWebスクールおすすめ3選!
Webサイトの要件定義の手順6ステップ


Webサイトの要件定義は、以下の6ステップで進めるのがおすすめです。
- ヒアリングでクライアントの要望や課題を理解する
- 実現可能性やコストなどの制約を把握する
- ヒアリングの結果をまとめ、要件定義書を作成する
- 要件定義書の内容でクライアントと合意する
- 要件を実現する具体的な内容を決めた仕様書を作成する
- 仕様書をデザイナーやエンジニアと共有する



順番にご紹介します!
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STEP1:ヒアリングでクライアントの要望や課題を理解する
クライアントと直接会って、要望や課題をヒアリングします。
ヒアリングでは、以下の点を明らかにします。
- クライアントが実現したいこと
- クライアントが抱えている課題
- クライアントの予算やスケジュール
クライアントにヒアリングした内容から、Webサイトを作る目的、現状の課題や要望、商材やサービスの強みや独自性、クライアントを取り巻く市場状況や業界の慣習、競合についてまとめます。



クライアントは必ずしもWebサイトの専門家ではありません!
詳細な質問ばかりで不快に思われず、必要な要素を漏れなくヒアリングすることを心がけましょう。
STEP2:実現可能性やコストなどの制約を把握する
ヒアリングの結果を踏まえて、実現可能性やコストなどの制約を把握します。
この過程では、クライアントの与件に対して、制作側のリソース(費用・時間・人材等)で実現できることを明確にします。
要件とリソースの関係をあいまいにしてしまうと、納期が遅れたり、要望通りの制作物が完成しなかったりといった問題が生じる原因になります。



実現不可能なものやコストがかかりすぎるものは、要件として定めないようにしましょう!
STEP3:ヒアリングの結果をまとめ、要件を定義する
ヒアリングの結果をまとめ、要件を定義します。
要件定義書には、以下の内容を記載します。
- 目的
- ターゲットユーザー
- 機能
- コンテンツ
- デザイン
- スケジュール
- 予算
要件定義を文書化しておくことで情報を参照で、建設的に調整・議論ができます。
Web制作において、トラブルの原因となるのは、要望の変更や追加、期間や予算オーバーなどです。
ヒアリング内容を議事録で残すなど、クライアントとのやりとりの証跡を残すようにしましょう。
STEP4:要件定義書の内容でクライアントと合意する
要件定義書をクライアントと合意します。
要件定義書の内容をクライアントにしっかりと説明し、理解してもらいます。



合意することで、要件定義書の内容に誤解や認識のズレがないかを確認することができます!
クライアントの承諾をもらうために、要件定義書に署名や捺印を求めます。
STEP5:要件を実現する具体的な内容を決めた仕様書を作成する
要件定義書の内容を踏まえて、仕様書を作成します。
-
プロジェクトの要点や業務フローなどを記載した資料のこと。
仕様書には、以下の内容を記載します。
- プロジェクト概要
- 実装機能
- スケジュール表
- サイトマップ
- ワイヤーフレーム
- 対象のブラウザ
- サーバー要件
要件定義書の内容を実現するために必要な技術や機能を明確に記載します。また、テスト・検証項目を具体的に記載して、制作物の品質を担保できるようにします。
STEP6:仕様書をデザイナーやエンジニアと共有する
仕様書を制作側のデザイナーやエンジニアと共有します。
仕様書の内容をデザイナーやエンジニアに説明し、しっかりと理解してもらいます。



Webディレクターとして、デザイナーやエンジニアからの質問や要望に丁寧に対応しましょう!
仕様書をデザイナーやエンジニアと共有できたら、開発やデザインの作業を開始しましょう。
Web業界が目指せる・活動できるWebスクールおすすめ3選!
Webサイトの要件定義で注意すべきポイント3つ


Webサイトの要件定義で注意すべきポイントについてご紹介します。
- クライアントの要望をできるだけ具体的に聞き出す
- 実現可能性やコストなどの制約を踏まえる
- クライアントと合意した上で進める



順番にご紹介します!
Web業界が目指せる・活動できるWebスクールおすすめ3選!
注意点1:クライアントの要望をできるだけ具体的に聞き出す
クライアントの要望を整理して、具体的な質問を投げかけるようにしましょう。
曖昧な要望を放置すると、後々になって追加の要望や仕様変更が発生するなど、プロジェクトの遅延やコスト増加につながる可能性があります。
クライアントの要望が分からない場合は、複数回聞き返して誤解や認識のズレを防ぎましょう。
クライアントに、絵や図を使って説明してもらったり、実際に操作してもらったりすることが大切です。
注意点2:実現可能性やコストなどの制約を踏まえる
実現不可能なものやコストがかかりすぎるものは、要件として定めないようにしましょう。
クライアントの予算や制作側スケジュールを把握する必要があります。



Webサイトの技術的な実現可能性をしっかり検討しましょう!
Webサイトの斬新といえるデザインを構築する際など、コストを算出する情報収集を行うことが大切です。
注意点3:クライアントと合意した上で進める
要件定義書の内容に誤解や認識のズレがないかを確認するために、クライアントと合意するようにしましょう。
要件定義書をクライアントと合意するために、以下の点に注意します。
- 専門用語や難しい表現は避ける
- 要件定義書の目的や内容を明確に伝える
- クライアントの質問や要望に丁寧に対応する
要件定義をしっかりと行うことで、プロジェクトの成功率を高めることができます。
Web業界が目指せる・活動できるWebスクールおすすめ3選!
Webディレクターの要件定義は、Webスクールでしっかり学ぼう!


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Web知識・スキルが体系的に学べるおすすめのWebスクールはこちらの7つです。
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- インターネット・アカデミー:現役のWebディレクターによる講義が受けたい方おすすめ
- デジタルハリウッドSTUDIO by LIG:未経験からWeb業界を目指せる
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Webスクールに通うこと自体が評価対象になることがあるため、転職にも有利になります。



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転職未経験からWeb業界を目指す・活躍できるおすすめのWebスクールはこちらをご覧ください。
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Webスクールについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください!
まとめ:Webディレクターとして要件定義をしっかり行おう!
今回は、Webディレクターの要件定義についてご紹介しました。
Webサイトの要件定義の項目はこちらの7つです。
- 目的:Webサイトを制作する目的は何ですか?
- ターゲットユーザー:Webサイトのターゲットユーザーは誰ですか?
- 機能:Webサイトに必要な機能は何ですか?
- コンテンツ:Webサイトに掲載するコンテンツは何ですか?
- デザイン:Webサイトのデザインはどのようになっていますか?
- スケジュール:Webサイトの制作スケジュールはどのようになっていますか?
- 予算:Webサイトの制作予算はいくらですか?
要件定義は、WebサイトやWebアプリケーションを開発する際に欠かせないプロセスです。
要件定義をしっかりと行うことで、プロジェクトの成功率を高めることができます。
Webディレクターとして、早いうちからスキルとして身に付けましょう。