【書評・要約】無(最高の状態)

無(最高の状態)

不安や悩みって尽きないですよね…。

将来の生活やキャリア、お金、健康などといった誰しもが抱える悩み。

仕事でのプレゼンテーションが成功するかといった瞭然とした不安など。

わけもなく、漠然とした不安を感じたり、どこか落ち着かず焦りを感じたりすることってありますよね。

この記事を読むことで、

  • 「無(最高の状態)」とは?
  • 本書の内容について
  • 読んで学んだこと

などが分かります。

私自身、マインドフルネスやセルフコンパッションなどの本を読みましたが、ここまで科学的根拠に基づいたビジネス書は初めてでした。

ぜひ本書を読んで、悩みや不安を解消する方法を学び、著者の提案する”最高の状態”を身に付けてください。

今回は、「無(最高の状態)」についてご紹介します。

目次

「無(最高の状態)」とは?

2021年7月に、クロスメディア・パブリッシング(インプレス)から発売されたビジネス書です。

Amazonカスタマーレビューでは平均4.5となっています(2022年7月現在)。

著者のプロフィール

鈴木 祐

1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。

10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアや生産性向上をテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。

“最高の状態”とは、どのような姿か?

“最高の状態”とは、あなたが生まれながらに持つ判断力や共感力、好奇心といった能力を存分に発揮できるようになった姿のことだと著者はいいます。

不安や思い込みが取り除かれた結果、意思決定力や他社への寛容さが上がった状態になれるのです。

著者自身も、幼いころから人生の辛さと格闘をしてきた経験を持っており、本書で取り上げる対策から対人不安と小心さを克服しました。

そして、この対策を実践し続けることで人付き合いのプレッシャーから解放され、思考の方向までも変わっていったそうです。

なお、本書のテクニックや技術は、神経科学や脳科学に基づくデータであり、多くの方が実感を得られるようになっています。

このように、本書を通して多くの方が”最高の状態”になれるということなのです。

本書の内容

Check

本書は6章構成になっております。(序章と終章合わせて8セクション)

実際のもくじはこちらです。

  1. (序 章 苦)
  2. 自己
  3. 虚構
  4. 結界
  5. 悪法
  6. 降伏
  7. 無我
  8. (終 章 智慧)

本書では悩み、ストレスから自ら解放する神経科学や脳科学のデータに基づいた科学的メソッドが書かれています。

大きく分けて2つです。

  • 人生において「苦しい」とはどのような現象なのかを考える
  • あらゆる「苦しみ」の共通項を見極めて普遍的な対策を立てる

まずは本書の序盤で、すべての苦しさに共通するポイントを探し当てます。

そのポイントに対して、本書の中盤以降対策を立て、精神機能を”最高の状態”に導いていきます。

序 章 苦

この章では、「苦」すなわちネガティブについて書かれています。

過去のネガティブに対する話題から、最新のネガティブに対する科学的知見まで、分かりやすい事例をもとに幅広く書かれています。

例えば、人は生まれつきネガティブであり、生後3か月から既にネガティブであること。

また原始世界では、ネガティブに敏感な人間がその環境に適応したということ。

さらに、ポジティブに対する特徴も書かれており、脳の感情に対してのシステムについても詳細に知ることができます。

私自身は、「なぜポジティブなことよりネガティブについて考えてしまうのか」がとても納得し、非常にためになりました。

このように、序章ではネガティブについて書かれており、人間の特徴やポジティブとの比較によってより分かりやすく書かれています。

自己

第1章は、自己が苦しみを生むメカニズムについてです。

ネガティブなのは人間ではなく、哺乳類の普遍的な特徴だそうです。

にも関わらず、人間だけがネガティブとしてこじらせてしまうということです。

ここでは、人がニーズが満たされない状態のことを「自己」の問題としています。

このような「自己」の問題に対して、

  • どのような思考でネガティブになってしまうのか
  • なぜ動物はネガティブにならないのか
  • 逆にヒトの心を無くしたらどうなるのか

などなど。

第1章では、様々な角度から「自己」について分析し、「自己」とは何かとその働きについて書かれています。

虚構

第2章は、自己が物語で構成されている事実の理解についてです。

第1章で「自己」の機能を見てきたものを、今回はどんな要素で構成されているかを見ていきます。

結論からいうと、

自己は”物語”で構成されているということ。

人生の記憶として、原因と結果を結ぶストーリーとして脳に収められているのです。

(本書8項目あるうちの1つ。)

これら8項目がストーリーとなり、ネガティブの起源になりうるのです。

さらにそれ以外にも、あなた自身の肉体が内側から発する情報にも、物語作りのリソースに使われるということなのです。

このほかにも人体特有の機能や、ネガティブなストーリーの作られ方など。

第2章では、これまであなた自身が思い描いていた、「自己」についての考え方がアップデートされることでしょう。

結界

第3章は、心身に安心感を与えて自己を消す土台作りについてです。

ここでの結界の効能とは、安心感の演出のことです。

なぜ結果が必要かというと、

自己を克服する作業が、大きな苦痛をもたらすことになるからです。

そこで結界を貼ることで、あなた自身の安心感を生み、恐怖を抱かないメンタルを整えることが出来るのです。

結界の方法に関しては、考え方、手法共にかなりのボリュームで書かれています。

特に第3章は、本書を読んで実際に実践するのがおすすめです。

悪法

第4章は、あなたの脳に埋め込まれた物語を引きずり出すことについてです。

この章でやるべきことは2つです。

  1. あなたの行動を縛る悪法を把握する
  2. 悪法に対処する方法を学ぶ

ちなみに、本書ではこれを「自己をならう」といいます。

次に悪法についてですが、

本書によると、悪法のパターンはなんと18種類も存在するのです。

それがこちらです(順不同)。

放棄 不信 剥奪 欠陥 孤立 無能 
脆弱 未分 失敗 尊大 放縦 服従 
犠牲 承認 悲観 抑制 完璧 懲罰

自分がいままでどのような悪法で動かされてきたのか、を考えながら読むのがおすすめです。

そして改めて第4章を熟読して、悪法と悪法に対しての解決策を学び実践していきましょう。

降伏

第5章は、現実を認めて苦しみを迎え入れる技術についてです。

第4章でみてきた悪法の正体について、遠回りしながら解決していきます。

なぜ遠回りというアプローチなのかというと、

苦しみ=痛み×抵抗

ということだからです。

この公式を避けるためには、物事へ積極的に降伏する姿勢を持つことが重要になります

その姿勢がこちらです。

  • 反芻思考
  • 身体イメージ
  • 失敗の記憶
  • 自分の性格
  • 自分の感情

さらに第5章には、降伏のスキルを伸ばすためのとっておきの方法が書かれています。

無我

第6章は、「無我」すなわち物語そのものが浮かばないように脳を使う方法についてです。

本章で解決すべき問題はこちらです。

  • 人間は”物語”の自動発生をピンポイントで止めることはできない
  • 人間は”物語”によって行動させられる自分を認識できない

本書では、思考に対する「停止」と、物語に対する「観察」。

さらに、それでも解決できない場合の症状の見分け方。

そして、「停止」と「観察」のトレーニングの取り組み方について具体的に書かれています。

このようなトレーニングや経験を積んでいくと、

  • 自己、思考、感情のいっさいは、どこからともなく現れる
  • 自己、思考、感情のいっさいは、放置すればやがて消えていく

脳が生み出す物語に巻き込まれにくい思考になります。

さらにこの精神機能を観察し続けると、あなたの自己を構成してきた人生のあらゆる要素が、最初の自分とは無関係だったかのような感覚が現れるというのです。

ここで一つの疑問が残ります。

それは、自己は物語で構成されているのに、その物語を失った。

つまり、死んだことと同じではないかということ。

「物語と自己が分離した自分は、いったい何者なのか」という命題が残ります。

このように第6章は、物語そのものが浮かばないように脳を使う方法つまり、”最高の状態”とは何かと命題を残したまま最終章へとつながっていきます。

終 章 智慧

この章では、”最高の状態”とは何かについて書かれています。

この問いに対しては、まず人それぞれつまり「無我」になった人次第ということです。

  • 自分と世界の区別が無くなる
  • 全て自分と一体であること
  • 全ての差異が無くなる

これは、「無我」になった人の発言ですが、鍵を握るのは一体感です。

いずれも「無我」に至ったあとで自分と世界をへだてる境界が消え、精神が拡大した感覚、幸福を抱く点が共通しているようです。

また、彼らの主張だけではなく、その行動にもフォーカスをあてて書かれています。

終章では最後に、「無我」がもたらす世界観の変化について著者自身の見解が書かれています。

読んで学んだこと

STUDY

“最高の状態”に対するマインド

本書を読んで実際にワークに取り組み、私自身の思考を”最高の状態”に近づけることができました。

読み方としては、最初から順番に読み進めて行き、内容のボリュームの多いところや咀嚼(そしゃく)出来ないところは何度も読み直しました。

その結果、最後読み終わるころには感覚的に気持ちが楽になりました。

私自身は、考えることが好きで苦にならないのですが、考えるのが好きではない方でも本書を少しずつ取り組むことで、不安や悩みを解消に向かうことができます。

本書は、8セクション構成になっており、順番で読んでいきながらワークに取り組むのがおすすめです。

ぜひ読むだけではなく、実践してみてください。

下支えとなる根拠となるデータ

マインド系のビジネス書は、けっこうふんわりした内容が多いですが、

本書は、思考法という考え方でありながらその中での科学的知見に基づく論文やデータなど。

内容として、かなり信頼性が高いのが印象的です。

著者の本はよく読んでおり、どれも内容が濃く有益です。

私自身は、「科学的な適職」や「ヤバイ集中力」などを読みました。

今回は、もともとの期待値が高かったものの、それを裏切らない結果となりました。

今後、発売される新作にも期待していきたいと思います。

自分にあった不安や悩みの解決方法を習得する

本書では、”最高の状態”に近づけるための手法やマインドが多く存在していました。

しかしながら、「無我」に至るまで、その後解決するまでの過程は、一筋縄ではいかないのかと思います。

だからこそ、

問題に対して最善を尽くすというマインドを忘れず、必ずしも解決できると過信しすぎないということ。

今後も本書を通じてトレーニングや実践で、「無我」に対しての精度を高めるように”最高の状態”になれるように取り組んでいきます。

まとめ

今回は、「無(最高の状態)」についてご紹介しました。

ぜひ本書を読んで、悩みや不安を解消する方法を学び、”最高の状態”を身に付けてみてください。

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この記事を書いた人

名前:さすけ/日々の業務がルーティンワーク化し、充実した毎日を送りたいと願う30代会社員/新しいことにチャレンジしたいという一心でブログを開始/ブログがきっかけで、未経験ながらウェブ業界に転職/やりたいことをやるための仕組みとして資産運用を開始/株式投資、つみたてNISA、iDeCoを学び実践/読書・転職・副業について、もっと身近な存在となるようなブログを目指します!
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