「良いもの」を作るだけではモノが売れない時代。
いわば完成されたもの同士を比較しても、対して差がない。
そう感じたことはありませんか。
ビジネスシーンにおいて、特に感じる時代の変化。
いざとっておきの製品を企画しても、既に世に出回っていたり。
かといって、いまさら大量生産で大手を出し抜こうなんてものは成立しないのはなんとなくわかりますよね。
さらに、ものを所有することにこだわらない消費者、サステナブル社会などのいわば「買わない時代」に突入しています。
人もモノも埋もれる時代の新しい稼ぎ方として、プロセス自体を売る。
というのが著者の考え方である、プロセスエコノミーなのです。
今回は、「プロセスエコノミー」についてご紹介します。
ビジネスシーンを想定しながら読んでみてください!
本記事の信頼性

- 名前:さすけ
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- 暗号資産(仮想通貨)3年
- 異業界・異職種への転職
- 資格保有多数あり
「プロセスエコノミー」とは?
2021年7月に、幻冬舎から出版されたビジネス書です。
Amazonカスタマーレビューでは平均4.0となっています(2022年6月現在)。
著者のプロフィール
尾原 和啓
1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。
IT批評家・藤原投資顧問シニアアドバイザー、数多くのキャリアを歴任。
有名著書も多数出版。
プロセスエコノミーについて
「プロセスエコノミー」を一言で説明すると「プロセスを共有するところがお金を稼ぐメインとなる」ということ。従来の常識である「完成品としてのアウトプットを売る」という「アウトプットエコノミー」の対極にある考え方だ。
日本経済新聞 「プロセスエコノミーに注目 過程を見せて顧客巻き込む」 一部抜粋
つまりプロセスエコノミーとは、プロセス自体を売る稼ぎ方ことなのです。
対極としてのアウトプットエコノミー
アウトプットエコノミーとは、プロセスでは課金せず、アウトプットで課金するということです。
商売の方向性として、いいものを作る、安く提供する、お客様に知ってもらうなどです。
このような、いわば従来の常識であるアウトプットエコノミー。
この水準がすごい勢いで上がり続けている状況にあるのです。
その理由として高度情報化が進み、
- 方法を調べることが出来て、簡単に真似することができる
- 情報の拡散スピードが早くなり、だめなものなどは淘汰されてしまう
- 基本的にどの製品も優れているから、何を選んでも変わらない
このような状況から、相対的にプロセスが重要になってきたのです。
〝良いモノ〟だけでは稼げない時代の新常識
プロセスエコノミーは、完成品が出回っているいまだからこそ、プロセスに価値が出るという考え方です。
なぜなら、アウトプットの差がなくなったら、価値を出すならプロセスということになると考えられるからです。
例えば、完成品ではなく、制作過程そのものを売るということです。
プロセスとしての稼ぎ方は、実際の具体例を中心に多く取り上げられています。
プロセスエコノミーはこれからを生きる全ての人の武器になります。
プロセスを共有し、たとえ少数でも熱いファンを作ることは大きな武器になるということです。
本の内容
本書は7章構成になっております。
実際のもくじはこちらです。
- なぜプロセスに価値が出るのか
- 人がプロセスに共感するメカニズム
- プロセスエコノミーをいかに実装するか
- プロセスエコノミーの実践方法
- プロセスエコノミー実例集
- プロセスエコノミーの弊害
- プロセスエコノミーは私たちをどう変えるか
順番に解説します!
なぜプロセスに価値が出るのか
第1章では、プロセスエコノミーとの距離感について書かれています。
- 「役立つ」より「意味がある」
- グローバル・ハイクオリティかローカル・ロークオリティか
- ブランドやコミュニティを求めている価値観
プロセスエコノミーについて、多角的な視点や様々な角度から切り込んでいきます。
私自身が特に印象的だったのは、若者の価値観の変化についてです。
生まれたときから社会に「ないものがない」時代に育っているからこその価値観だと実感しました。
私もこのターゲットに当てはまります。
プロセスエコノミーとの距離感がわかり、少しずつ時代の新常識として受け入れられるようになります。
人がプロセスに共感するメカニズム
第2章は、人がなぜプロセスに共感し、熱狂していくのかについて書かれています。
また、共感とプロセスエコノミーがどのように関わっていくのかについても書かれている重要なセクションです。
さらに、私的なストーリーと他者を共有することで、大きな熱狂を生み出していくと著者はいいます。
具体例についてもパターンを分けながら、プロセスエコノミーとの関連性について分かりやすく書かれています。
人間本来のもつ共感するメカニズムと相性の良さについて、具体例を交えて知ることができます。
プロセスエコノミーをいかに実装するか
第3章では、プロセスエコノミーを実践するためのマインドについて書かれています。
プロセスエコノミーを実装するコツは、理屈で理解するのではなく、感情としてプロセスエコノミーを捉えるということ。
これまでの学校教育で根付いてしまっているのは、努力は見えないところでやったり、納得いったものだけをアウトプットすること。
まずは、こういった価値観が、既に根付いてしまっているということを理解する必要があるのです。
「正解主義から修正主義」へ。
第3章には、プロセスエコノミーを実践するためのマインドや具体例が詳細に書かれています。
プロセスエコノミーの実践方法
第4章は、プロセスエコノミーの実践方法が書かれています。
時代としては、1億発信者社会となりつつあり、YoutubeやInstagramはもはや「当たり前」。
インフルエンサーとして台頭したとしても、なかなか見つけられることが難しくなっています。
私自身、書くことによる情報発信をしている一人ですが、記事としての上位表示は難しいです。
さらには、発信内容が同じでもメディア変えたり、競合としての見方や考え方を変えたりすると、常に競争という環境にあることを実感しています。
このような書評・要約をしているのはブロガーだけではなくYoutubeにもいるわけです。
第4章では、このようなレッドオーシャンの中でどのようにして売れたり、生き残ったりできるのか、より具体的な実践方法について書かれています。
プロセスエコノミー実例集
第5章は、プロセスエコノミーの成功例が書かれています。
みなの誰もが知っているあろう「あれ」も、実はプロセスエコノミーが成功に導いたという内容です。
例えば、
- BTS
- ジャニーズ
- シャオミ(中国)
- メルカリ
- 北欧、暮らしの道具店
- ゲーム配信、Clubhouse
- Zappos
- Y Combinator
エンタメ業界から、一般企業まで様々です。
第5章で、成功例からプロセスエコノミーを学ぶことで、その本質的なエッセンスに辿り着くことができます。
プロセスエコノミーの弊害
第6章は、プロセスエコノミーのデメリットや危険性について書かれています。
それは、
プロセスで稼ぐことができると、本来の目的を見失ってしまうということです。
プロセスで稼ぐことが出来た状態。
ここでは過程でファンがついて注目を浴びたり、目標を達成したり、ということを想定します。
その場合、
- 大きなチャレンジを達成しないといけないというマインドに陥る
- ファンの熱狂度によって、ファン同士がけんかになってしまうことがある
- プロセスを共有し熱狂すること自体が目的化していくおそれがある
つまり、発信者やクリエイターの目的や目標によっても、プロセスエコノミーの捉え方が変わり、そのコミュニティにまで影響を及ぼしてしまう危険性があるということなのです。
第6章では、このようなプロセスエコノミーのデメリットや危険性から、どうすればいいのか、そのノウハウが詳細に書かれています。
プロセスエコノミーは私たちをどう変えるか
第7章は、プロセスエコノミーによって、個人の生き方がどう変わっていくのかについて書かれています。
主な成功法則はこちらです。
- 先天的な興味関心が功を奏して、突き抜けていく「プロセス」を周りを熱狂させる
- 「夢中になるための3条件」といったようなノウハウを駆使して、「プロセス」として落とし込む
- あらかじめ結果を見つけることをせず、その「プロセス」自体がその結果を決める
第7章では、このような成功法則を踏まえつつ、著者の個人の生き方がどう変わっていくのかの答えが示されているのです。
読んで学んだこと

時代が変われば考え方も変わる
高度情報化社会。SNSの普及、個の時代。
顧客との接点の多様化、複雑化。
当たり前に完成された「モノ」や「コト」。
それらに満足しない消費者。
こういった背景から、その対極となる要素として捉えられた「プロセス」。
もう普段の生活で、プロセスエコノミーと触れ合いつつあることを学びました。
ノウハウとしての抽象化の難しさ
手法は真似できても「プロセス」自体は、他者と同じではないことを学びました。
しかしながら、
他者が同じことを真似をしたとして、同じように成功できるかどうかは分からないということ。
つまりノウハウとして、同様の再現性が期待できないということなのです。
成功者の成功体験だけではなく、それが自身の体験にどれだけ応用できるのか。
この視点で考え、より深くプロセスエコノミーについて考えていきます。
個人でもやっていけるマインド
ナンバーワンよりオンリーワンを目指す。
同じ土俵では、大手の本紹介サイトなどには勝てないけれど。
私自身の体験が重なれば、私だけの「がけのうえブログ」が完成する。
その「過程」に共感して、読んでくれる読者が増えていく。
こういった視点で記事を書いていきたいと思います。
まとめ
今回は、「プロセスエコノミー」についてご紹介しました。
ぜひ本書を読んでプロセスエコノミー学び、自分自身の物語に価値を見出して行きましょう。
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